SatoshiFujiwara

彼女がその名を知らない鳥たちのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

2.9
物語の中盤までは説明の省略がなかなか良い感じに機能していたんだが、終盤に至ってあそこまであからさまに役者のセリフで顛末と言うか因果関係を説明させちゃいかんのではないか。もっと画に語らせなきゃ駄目なんでは。とは言え陣治(阿部サダヲ)と十和子(蒼井優)のあれやこれやをフラッシュバックでインサートするのもくどくてわざとらしいし、いくら尾行してる設定だとは言え、ラスト近くの決定的なシーンで背後からいきなり陣治が現れて制止するのもご都合主義の域を超えた演出たり得ていない。時計屋の水島(松坂桃李)が十和子の家に行って十和子に泣かれ、その後唐突にキスをするシーンもよく分からぬ。水島は「こうする他ないと思った」とか言ってんだけどねえ。真面目に撮っているなら(だと思うが)どうもギャグに見えてしまうのは何でか。刑事(チョイ役ながら赤堀雅秋!)から黒崎の死を聞かされた十和子の手から持っていたものが下に落ち、それをスローモーションで捉えるのも凡庸と言うかだせえ。白石和彌はちょっと安易に流れるところがあるのが気になる(偉そうにすいません)。但し、とっ散らかった陣治と十和子のいかにもな部屋の美術と夜の大阪城を背にした水島への十和子のまさかの野外ロマンティック・フ○ラ(何じゃそりゃ)は良かった。結局エロの話になるが、蒼井優はエロシーンで見えそうで見えないのにはイラつかされた。
SatoshiFujiwara

SatoshiFujiwara