MoRNingRUSH

彼女がその名を知らない鳥たちのMoRNingRUSHのレビュー・感想・評価

4.1
すごいすごいと言われているけれど、わかっているような気はしていたけれど、ぼやけてはっきりしていなかった「蒼井優ってすごい」ということが理解できた映画。

他人(ヒト)に対する愛がテーマかと思いきや、最後まで観終わると、実は「自己愛」がテーマだったのかもと思わされた。人間は誰かを強く愛するようでいて、実は自分への愛を超えられないのかもしれない。だからそれが表面的には狂気や猟奇に見えて映っているのではないか。。

最後の5分間が、とてつもなく切ない。ああ、美しい時代や時間が、昔はちゃんとあったな。あの頃は白くて綺麗だった、、と、もうなくなってしまったものへはせる気持ちって、こんなにも切ないのかと思った。そして、彼がこの最後のために計算して、仕事場の態度や咳をしながらのタバコや、すべてを行なっていたのかと思うと凄すぎるし恐ろしい。きっと彼は、自分をものすごく愛していたのだと思う。彼女への愛が強すぎたのではなくて、自分への愛が、強すぎたんだ、きっと。

ラブシーンが多すぎな感じは否めないけど、セックスとか性欲って、本当に大事なことのひとつなんだと再認識させられた感じがした。