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海辺の生と死のshupetteのレビュー・感想・評価

海辺の生と死(2017年製作の映画)
3.7
2017年の夏、まさに島尾敏雄に特攻命令が出た8/13に、観ました。

島尾敏雄「死の棘」、島尾ミホ「海辺の生と死」を読んでおり、リアルでも恋人同士のふたり(満島ひかりと永山絢斗)が恋人同士を演じる、これは観るしかあるまい!と公開前から期待度マックスでした。

結論から言おう、満島ひかりちゃんのファンは観るべき。(胸も見れちゃう、こういうこと書くの本当はよくないけど)
胸が見れてびっくりしたのは「ジョゼと虎と魚たち」の池脇千鶴以来かな。

なんか意外に評価が高くなくて、地味な印象のまま公開期間を終えた印象ですが(わたしも、観てからほぼ1年近く経ってからレビューを書いている)、映像はとてもきれいだし、満島ひかりの女優としてのすごさ、島言葉も、島尾敏雄の息子でありしまおまほのお父さんであるカメラマンの島尾伸三が吹き込んで、それを聞いて再現したとのこと。不思議な抑揚で、時に何を言っているのかよくわからない島言葉はとても心地いいです。

越川道夫監督と川瀬陽太(隼人少尉役)と井ノ脇海(大坪役)のトークショーが上映後にあり、色々なお話が聞けたのもよかった。(川瀬陽太が「どうも!満島ひかりです!」と出てきてめちゃめちゃウケていた)
パンフレットに、越川監督にサインをいただき、とても嬉しかったです。

そして、越川監督に、「朔中尉はあのあと(特攻命令が出たあと)どうなったんですか?!」「トエとはどうなったんですか!?」などと純粋に質問をしている男性がおり、監督がちょっと困惑していたのが面白かったです。「死の棘」を読んでみたらいいと思いますよ…と助け船を出したかったけど我慢しました。

そうです、劇的な恋愛は、その後の現実に続いていくのです。(映画には全く描かれていませんが、「死の棘」を読んでください)
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