askQ

海辺の生と死のaskQのレビュー・感想・評価

海辺の生と死(2017年製作の映画)
3.8
静かな激しさを感じる作品だった。
広告のアートワークが葛西薫さんぽいと思ったらやっぱり。静謐な広告の佇まいがそのまんま作品の雰囲気と直結してた。
佇まいの美しさといえば、満島ひかりは抜群だと思う。横顔から襟元にかけての立ち姿に終始うっとり見入ってしまった。

ムンとした夏の夜の匂いと、鳥の声や波の音や木のざわざわ。島が発する独特のリズムや温度感が心地よい。そこに、不思議なメロディーと聴きなれない言葉の島唄が合わさって、なんとも不可思議で濃密な空気を感じた。

“いつもの日常に忍び寄る戦争”という点では「この世界の片隅に」に通じるものがあった。戦争中にもいくつもの恋愛があって、戦争によって壊れた関係性もたくさんあった。何のために戦っているのかわからず時代に翻弄された人たちを思うと、こんなことは二度とあってはならないと強く思う。
askQ

askQ