ベルサイユ製麺

ダブルミンツのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ダブルミンツ(2017年製作の映画)
2.9
原作 中村明日美子!!!!
ある種の愛好家にとっては“神”に他なるまい。勿論、私も大好きなのですが、なにぶんかなりヌルいファンなのでこの作品は未読でした。
事前に原典を確認してもよかったのですが、映像化にあたり肝心なのは“見た目が明日美子的である事”“堪らん関係性ががっちりとセットアップされている事”なのではないかしら。ストーリーとかは別にまあ、アレです。ロック様の映画のストーリーに拘る方はあんまりいないでしょう?敢えて読まずに観る!
よし、リモコンを持つ手にもいつに無く力が入りますな。汗ばんでいるな、自分。

フムフム。…えーと、映画そのものの見た目は、ごく一般的な“環境に恵まれていない邦画”のソレですね。可も不可も無いです。
今作は大好物のヤクザネタ!かと思ったら、カタギとヤクザの鉄砲玉的なチンピラのカップリングですね。
主演の2人、多分知らない役者さんですが、合格!少なくてもぱっと見は合格。抑えた演技は良いですね。寧ろぎこちないくらいの方が良いのじゃよ…。
その他のキャストで注目は、高橋和也!今作はちょっと作り込み過ぎたキャラクターなので、普段の匂い立つような下卑た生命力は感じられずちょっと残念。あと、カトウシンスケ‼︎『ケンとカズ』のケンです!ケンー、お前生きとったんかー!良かったなぁ。まだシケた自動車修理工場やってんのか⁈(倒錯)

この映画、お話が行ったり来たりして分かりづらいです!(自分のことを棚に上げ。)時間軸がどうとかでは無くて、おんなじような振れ幅の出来事を何度も繰り返しがちです。
展開はひょっとしたら原作のままなのかもしれませんが、特殊漫画のヤマの作り方のセオリーと、映画のそれは違うと思うのですよね。台詞もグっと削った方が良いかなぁ。画面ももっと暗くてもいい。
あと、まあ、どうでもいい事なんですけど…、R-15だからって絡み少な過ぎるだろ!!!この手の作品の絡みシーンって、アベンジャーズとかの戦闘シーンとおんなじでしょ⁇ドラマの推進力でしょうに!気持ちが伝わってこないのだよ。…まあ、どうでもいいのですけど。
…元も子もない事を言いますが、そもそも明日美子先生の作品は、その物語のエッセンシャルな瞬間だけを切り出して印象付けていくスタイルで、(絡みも含め)あんまり動きを想定してないのではないかと思います。なので、原作のファンには違和感が強く残りそうです。原作ファンに支持される為には、先ず動きを全て無くす。基本スライドショーにしてしまいましょう。野太い声も没入度が下がるので、いっそサイレント映画にする。で、それをコミック化したものを読む。コレで原作ファンのハートは鷲掴みです。…?
いっそ全ての漫画原作の映画はこのメソッドで大成功に違いない!
レビューは終了でーす。『卒業生』シリーズ読みまーす。