Keitan

光と血のKeitanのレビュー・感想・評価

光と血(2017年製作の映画)
3.7
『傷ついた人達が、その後ももがき苦しむお話』

20191026 120
衝撃というか苦痛が伴う映画。始まって30分くらいは見ちゃいけないモノ見ちゃったかなと後悔したくなるほど目を覆うばかりだった。

事故や事件の加害者と被害者によるオムニバス構成。橋口監督の「恋人たち」を思い出すというレビューも見かけるが、僕としては洋画「クラッシュ」を思い出した。しかし見終わってみれば真逆の感想。あっちは色んな事件があるものの割とドライテイストのそれぞれの物語。それに対して本編は事件に関わる人々に肉薄し傷をズケズケとエグるようなウェットスタイルで、実は皆んなに関係性があって結末を迎えるというオチ。

このまま救われない人々を最後まで描くのかと心配ていたが最後に少しだけ救いがあるのが良かったとは思うが、むしろそれはそれで予定調和なので、むしろ逆の結論だったらもっと傑作だったのでは?とも期待するほどの内容だった。

出演者たちが無名なうえ皆んな凄く上手な演技で、まるでドキュメンタリーのように迫真で心に迫ってくる。特に光を演じる打越梨子は「リリイシュシュ」の伊藤歩よろしく坊主頭にまでなっての熱演で素晴らしかった。
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