回想シーンでご飯3杯いける

DESTINY 鎌倉ものがたりの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)
3.0
是枝監督が手掛けた「海街diary」と同じく、神奈川県鎌倉市を舞台にしたコミックの映画化。江ノ電沿線のこの地域は、他にも映画の舞台として多数描かれているし、サザンオールスターズ やASIAN KUNG-FU GENERATIONは曲の題材として多数取り上げており、絵になる街として愛されている事が伝わってくる。

本作では、鎌倉は人間と魔物や妖怪が共存する街として描かれている。登場するのは、河童や貧乏神など日本人にはお馴染みのキャラクター。しかも、それらが仰々しく登場するのではなく、庭先や神社の境内で普通に歩き回っている。特殊メイクやCG技術の高さもあり、この世界観はどこかスターウォーズ的でもあり、邦画としては斬新だと思う。

一方で、キャストは、堺雅人、高畑充希、堤真一、中村玉緒など、TVCM等での露出が多い俳優が多く、このオリジナリティ溢れる世界観をやや壊してしまっている感がある。特にケータイ、通信、酒類メーカーのCMに出ている人が多いのは、何か大人の事情なのだろうか。この手の会社は本人のキャラクターを前面に出したCMが多いので、本作を観ていても、役どころではなく、あくまで堺雅人や高畑充希を見ている感じになってしまう。この点で、先に挙げたスターウォーズは、1作目の段階で、主要メンバーがほぼ無名俳優で固められていて、だからこそ僕達は夢中になったのだと改めて思う。