エディ

誰が為に鐘は鳴るのエディのレビュー・感想・評価

誰が為に鐘は鳴る(1943年製作の映画)
2.6
スペイン内乱中、ゲイリークーパー扮する反乱軍に協力する米国人学者と、イングリッドバーグマン扮する反乱軍に所属する娘の儚い恋を描いた戦争ロマンス。
ヘミングウェイの原作は名作だが、この映画は有名だが駄作に思える。戦争映画にロマンス要素を加えるともう少しドラマティックかつ感動的になっても良さそうなのに、この映画は長尺なこともあり非常に退屈で盛り上がりに欠ける。

内乱中のスペイン北部の山間部で、反乱軍は独裁政権フランコ軍に対してゲリラ攻撃をしていた。政府軍の物資輸送の要である橋を爆破する計画の実行犯として選ばれたのがアメリカ人学者のロベルトで、彼は付近で反政府活動をするジプシーたちと行動を共にして計画の準備を始める。そのジプシー集団の中には、反政府派の市長の娘であるゆえに政府軍に捕えられ酷い目にあったマリアもいた。ジプシーたちと山岳部の洞窟で暮らす僅かな間にロベルトとマリアは愛が芽が得るが、橋爆破の期限は刻一刻と迫っていた。。。

戦争映画に恋愛要素を加えた映画は「カサブランカ」など数多あるが、戦時下の緊迫感が欠けてしまうと、恋愛のドラマティックさや悲劇性が薄らいでしまうように思える。しかし、この映画は3日後に橋を爆破するというロバートの緊迫感が全く伝わってこないのだ。

この映画の問題は戦争の緊迫感とロマンスのバランスの悪さだと思う。最初の2/3は橋爆破までの三日間なのだが、洞窟での人間関係やマリアとのロマンスが多い。しかしゲイリークーパーとイングリッドバーグマンのロマンスばかりではなく、ジプシーの親分であるパブロがへたれに転じるまでのエピソードにかなりの時間を費やしたり、ジプシー同士の仲間割れなどにもかなり時間を割いているのだ。ここが退屈過ぎる。

一方、戦争の悲惨さはマリアの口述と過去シーンの再現のみで、ロバートの危機感や使命感が全く伝わってこない。そして、ヒロインのマリアもロベルトのミッションを理解して協力する感じを全く受けないのが腹立たしい。戦闘の最前線にいるのに勘違い娘振りを見せ付けるのだ。

肝心のクライマックスもグダグダすぎて一気に見せるのとは程遠い作りだ。爆撃中止の伝令が伝わらないシーンの緊迫感やもどかしさが足りないし、クライマックスの逃げるシーンもイメージが違う。あの場所を通っていたら確実にやられるでしょ?と思う移動方法なので、無理やり感動的なラストにすべくああいうルートにしたと思うだろう。

ジプシー親分の妻ピラーが良い味を出しているが、戦争映画としてのまだるっこしさは類い稀な水準。ゲイリークーパーとイングリッドバーグマンを使うと、何作っても当たるだろうという安直さを感じてしまった。