クワン

誰が為に鐘は鳴るのクワンのレビュー・感想・評価

誰が為に鐘は鳴る(1943年製作の映画)
3.5
スペイン内戦を描いたヘミングウェイの名作の映画化。内戦に人民戦線のゲリラ活動に参加した男が、ジプシーに協力を求めると、そこで美しい娘と出会い、二人は激しく惹かれ合うという、筋はよくある歴史メロドラマ。

イングリッド・バーグマンが、ジプシーたちと行動する情熱的なスペイン娘を演じていて、いつもより野性味溢れて美しい。特にいつもと違うショートカットでとてもキュート。原作を読んでヒロイン役を強く熱望したバーグマンは、伸ばしていた自慢の髪をばっさり切って、ヘミングウェイの自宅に押しかけて、自分を売り込んだらしい。熱い人、、

彼女が惚れるゲーリー・クーパーは相変わらず渋いのだけど、面白味はない。ジプシーの女戦士役でアカデミー助演女優賞に輝いたカティーナ・パクシヌーが素晴らしい。

1943年当時の撮影現場は過酷を極めた。カリフォルニア北部のシエラネバダ山脈の吹雪の中、何台かカメラが凍って動かなくなりつつも、ロケは進められ、途中、日本が真珠湾攻撃をした日はハリウッドでもロケ中止になるがすぐに撮影再開され、出演者が乗った船がUボートに襲撃され(命は助かったが)、それでも映画を創り続ける。ハリウッドは戦時でも回り続ける。

作品は上映時間が長く、途中やや冗長に感じられるが、とにかくイングリッド・バーグマンの力強く輝く瞳と美しさに引き付けられ、目が離せない。そして、クライマックスのゲイリー・クーパーの自己犠牲と悲恋展開は心にグッとくる。堂々たる歴史メロドラマだと思う。