グラビティボルト

バトル・オブ・ザ・セクシーズのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

4.0
序盤から抑制を効かせた演出がとても好感を抱かせてくれた。
キングことエマ・ストーンがテニスをする場面は中盤(負け戦)まで見せずに序盤は鏡と視線、ドキリとする台詞を見事にマッチさせたサスペンスフルなメロドラマが展開される。
対してカレルの描写は引きの画が多くて不思議に思うのだが、彼の「外面が充実してる」立場を考えると納得のいく手法だったし、これによって彼の表情に寄るシーンの切実さがより伝わるようになっている。試合直前、息子と別れるエスカレーターも素晴らしかった。
大見せ場のテニスシーンでは徹底した引きの画角が採用される。心情に寄らない分これまでのシーンで二人が何を積み重ねて来たのか?が勝敗を別けたように見えて、とてもスリリング。