バトル・オブ・ザ・セクシーズ
女子プロテニスプレーヤーのビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)が、テニス界の男女格差と戦うとともに、セクシャリティによる葛藤や苦悩を抱えながら、自分の気持ちを貫き通す姿を丁寧に描いた作品。
何と言ってもエマ・ストーンの役柄に徹した、とても深みのある演技がいい。エマ・ストーンの顔のアップが何度も映し出されますが、華やかで煌びやかな美しさではなく、芯のある強い女性の美しさが、スクリーン一杯に広がります。
戦い終えてロッカーで涙を流すシーンが、この映画のすべて。男女間の格差に一石を投じることが出来た喜びや達成感、仲間への感謝、自分自身の偽ることの出来ないセクシャリティへの苦しさ、夫に対する自己嫌悪、すべてを精巧にそして見事に表現された素晴らしいシーンでした。
いち早く、彼女の苦悩に気づいていたテットが最後に放った一言、この作品で本当に伝えたかったメッセージなんでしょう。