Naoya

バトル・オブ・ザ・セクシーズのNaoyaのレビュー・感想・評価

2.9
女子テニス世界チャンピオンとなったビリー・ジーンは、男女平等を求め、テニス協会を脱退し、〝女子テニス協会〟を立ち上げ、テニス界の平等を訴えてきた。そんな中、〝男性優位主義の代表〟と謳うボビーが現れる。1973年に実在した〝性差を超えた戦い〟を描いたヒューマンドラマ作。明らかな男性優位となっているテニス界、そして世の中を変えるため、悪戦苦闘しながら、奮闘する姿は印象的。ビリー・ジーンは、あくまで〝男女平等〟であり、〝女性優位〟を貫いたわけではない点が時代の問題提起として良い題材でもある。如実に男女の主義問題を出しているわけでもなく、あくまでビリー・ジーンの人生を切り取った物語であり、彼女の戦いや人生を描いていくことで、テーマを読み取る面白さがある。彼女と形として敵対することになる、〝男性優位主義〟と公言するボビーだが、彼にも妻がいて、彼なりの人生がある描写がより印象的に映ります。女子現テニス世界チャンピオン29歳VS男子元世界チャンピオン55歳の、テニスとしての戦いの結末は明らかだが、お互いに賭けるものが異なり、背負うものの違いがよりドラマを生み出してます。ドラマ要素は強いが、スポーツ映画としての、ラストのテニスの試合も熱いものになっています。1970年代のお話だが、しっかり現代の問題へも繋がる内容で、良い題材。出演のエマ・ストーン、スティーブ・カレルの対象的な演技が素晴らしく、70年代の雰囲気作りは良い。演出や舞台背景も70年代の雰囲気を出しているが、彼女らの役作りはやはり魅力的に映ります。
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