小

バトル・オブ・ザ・セクシーズの小のレビュー・感想・評価

3.3
男女平等を求める女子テニスの女王ビリー・ジーン・キングが、元男子チャンピオンで“男性優位主義の代表”ボビー・リッグスと対決するという実話に基づく物語。さぞかし溜飲を下げてくれるのかと思いきやそうでもなくて、かといってヒューマンドラマとしても…。

対決相手のボビーは賭け事が大好きでやめられない。勝負の世界に生きてきた彼は、ヒリヒリするような刺激がないと物足りないのだろう(そういうのを中毒というのかも)。そもそも彼がビリー・ジーンとの試合を願い出るのは、勝つことで女性を貶めたいというよりも、勝負をすることによって自分の存在を確かめたいのだろうと。

一方のビリー・ジーンも、こうした映画では付き物の、その後の彼女がどうなったかの説明によれば、やっぱり差別と闘う人生みたいだから、闘いなしには良く生きられない人なのかもしれない。

ということでパートナーを犠牲にしてでも人生の大部分を闘いにつぎ込んできた2人が、真剣勝負で対決する、という感じで盛り上がるハズだと思ったのだけれど、イマイチだったかな。

ボビーは悪役としてナイスなキャラクターに仕上がっていると思うけれど、対するビリー・ジーンがもうひとつピリッとしない。強気キャラなのはわかるのだけれど、迫力不足。何かをいきなり叩き壊すとか、観ている方がびびってしまうような雰囲気があっても良かったと思うのだけれど…。

だからかビリー・ジーンが試合でめちゃめちゃ強いという感じがなく、試合は淡々と進んでいるように見えた。それに、仕方ないのかもしれないけれど、あのエピソードをガッツリ盛り込んだことで「愛の力」みたいな話っぽくなってしまって、そういうことなの?と。

物語自体はあるべきところに落ち着いたのだろうけど、自分的にはあまりスッキリしなかったかな。

●物語(50%×3.0):1.50
・ちょっと中途半端かな。わからなくはないけれど。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・ボビーはイイけど、ビリー・ジーンにもっと頑張って欲しかった。

●画、音、音楽(20%×3.5):0.70
・普通によろしいかと。
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