もくもく

バトル・オブ・ザ・セクシーズのもくもくのレビュー・感想・評価

4.3
キングの肩にのしかかった重圧を想像するだけでぞっとする。馬鹿馬鹿しい戦いとわかりつつ、勝負に負けることがどういう結果になるのか。
今よりも更に女性蔑視の酷い時代、そこで声を上げ行動する勇気はどれだけだったんだろう。一部の人から疎まれ、憎まれ、笑われる。悲しいかな今だって似たようなものだけど。
試合中のキングを解説者が、「男らしい歩みだ」みたいなことを言って褒めてたのにちょっと笑った。(manlyだったと思う)女を褒める時すら、男に寄せるて。

勝ちたいわけでも、優劣を競いたいわけでもない。ただ平等にありたいだけなのに、不思議とそれが叶っていないのが現状だろう。世界の約半分は男で、約半分は女で、偶然女に生まれたり、偶然男に生まれてくるだけなのにね。

エマ・ストーンが魅力的。たくましさと繊細さをよく表現されていて、かっこよかった。美容師とのやりとりが出会いからいちいち色っぽい。
スティーブ・カレルも単に悪役という描き方ではなく、彼も「男」が勝つことで、なんとか自分の立場を保ちたい悲しさがあってよかった。ゆがんだ鏡の使い方が印象的。
そしてアラン・カミングがひたすらおいしい役所。まんまと泣かされました。
もくもく

もくもく