激アツのスポーツものかと思いきや、男女どころか性的指向による差別・偏見との戦いも予感させる作品だった。
字幕でも「LGBT」でなくちゃんと「LGBTQ」になっていたし。
Q=クエスチョニングとは、自身の性自認や性的指向が定まっていない人のことであり、主人公にもつながっている。
舞台となる当時では「ウーマン・リブ」(女性解放)という言葉が流行した時代で、主人公、女子テニス界の女王「キング夫人」もその闘士のように捉えられた。
だが、それを現代的に解釈し、巧く表現している。
そして、やっぱりアツい試合のシーンも、二人の演技も巧い。
スティーブ=カレルは『フォックス・キャッチャー』では、寡黙で鬼気迫るレスリングのコーチを演じていたのに、ここではギャンブル依存でダメな夫に なりきっている。役者だ。