赤足

バトル・オブ・ザ・セクシーズの赤足のレビュー・感想・評価

3.4
正直、タイトルだけ見た時は「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」やB級映画特有のお色気映画かと思った自分が恥ずかしい(汗)

まだ、男女感の間での蔑視が厳しかった時代。女子テニスの元王者、ビリー・ジーン・キングを題材にした実録ドラマ。男性優位だったテニス界を変えようとした彼女と、それに異議を唱えるため試合を申し込んだ男子テニス元王者のボビー・リッグスとの戦いを描く。

実話が基だったのもあり、見終わった後にビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスの昔の写真を見たがまんまそっくりで吃驚した。当時の女性への扱いやなんかは見ててかなり差別的で、映画という演出という敢えというのもあると思われるが、これは男性目線で見てもかなりイラッとさせられた。テニス協会のお偉いさんの態度や上から目線や女性蔑視な発言。そしてそのまま、女性としての尊厳を掛けた戦いに発展するのかと思いきや、途中間でLGBT要素がかなり色濃く描かれてたのは意外であった!ましてや、時代的にまだ偏見の対象となりうる時でもあったのにもかかわらず!それから、敵役のボビー・リッグスを演じた。スティーブ・カレルの再現度はかなり高く、キャラ的にはオースティン・パワーズのマイクマイヤーズを見ているかのような、道化で話の中では女性蔑視をうたってはいるものの、その裏での彼の人間模様やドラマ設定等もちゃんと描かれていて物語に深みがでていた。後半はロッキーのような展開ながら、全世界が息をのんだ"女と男の戦い" は同時に、性的嗜好への理解への戦いでもあり。女性の尊厳というカラーよりもむしろ後者の方がテーマとして大きく扱っていたと印象を受けるなかなか感慨深い作品であったが、腑に落ちない点としては自分としてはラストまで主人公の旦那さんに対しての態度や対応が素っ気なく、全面的に主人公含め、特に恋人に感情移入するのは難しかった。このへんは見た人で多分、好みが別れるところかな?
赤足

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