カテリーナ

バトル・オブ・ザ・セクシーズのカテリーナのレビュー・感想・評価

3.3
エマ・ストーンの新境地

思っていたのと違う
もう少しエンタメ性の高い 作劇を期待していたのだ どちらかと言えば 主人公のセクシャリティの苦悩が中心で 全体のカラーも
どんよりとしたグレーといった印象
女子テニス界のNo.1選手と言えば
セレナ・ウィリアムズが浮かぶが 私が
ベッカーやレンドル ジミー・コナーズの試合を見て喜んでいた時代は ナブラチロワが負け知らずの最強選手だった
おかっぱのヘアースタイル 筋肉質の腕は
まるで 男子のように盛り上がっていたが
真剣な横顔の耳に光るピアスが 女らしかったのを覚えている 彼女もまた、レズビアン
だった それを公言しても何の影響もなく試合をこなしていたのは ビリー・ジーンの
切り開いた道のお陰ではないか

エリザベス・シューが懐かしい
年取ったけど 笑顔は やっぱり優しい 夫に残酷な言葉を突きつける時でさえ
その笑顔は温かさが 貼り付いてる
『ベストキッド』や『リービングラスベガス』の強くて 愛情深い彼女が好きだった

スティーブ・カレルは『フォックス・キャッチャー』といい、どうして こんなに愛されずに拒否される役柄が多いのだろうか
下りのエスカーターに消えていく 息子を見つめる顔も 暗い部屋で 貴方について行けないと告白され 妻を見つめる顔も せつなすぎる スティーブ・カレル 表面上は
底抜けに陽気で 皆を楽しませることが
上手な仲間の中心的存在なのに 本当に愛されたい家族からは拒絶される
それに気付いてしまった時の彼の表情は
演技とは思えないほど さり気ないけど 真に迫る とりわけ 試合が終わった後の
うなだれ方には目を背けたくなるほど
元々コメディアンだった事を考えると 情けなさを表現するのはある意味チャップリンの系譜なのかなとエンドロールを見つめ考えていた
カテリーナ

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