RAY

バトル・オブ・ザ・セクシーズのRAYのレビュー・感想・評価

3.5
エマ・ストーンの『ラ・ラ・ランド』に続く主演作。
主人公であるビリー・ジーン・キングを演じます。
また、ボビー・リッグス役にスティーヴ・カレル。
監督は、『リトル・ミス・サンシャイン』のジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス夫婦です。
『リトル・ミス・サンシャイン』にはスティーヴ・カレルも出演していましたね。


感想はと言うと、期待していた程では無かったと言うのが正直なところですが、十分に面白い作品でした。
実は、随分前から観たいと思っていた作品で、かなりの期待値の中鑑賞したので、評価はそれ程高くないと言うことになってしまったかもしれません。


まずは、エマ・ストーンとスティーヴ・カレル。
二人の演技が素晴らしかったのは言うまでもありません。
と言うのも、二人の役どころと言うのは、あらためて考えても非常に難しかったと思うのです。
それでも、実際のテニスシーンを除いては違和感を感じさせなかったところは流石だと思いましたし、その結果として映画が面白くなったところが強いと思っています。


この映画が描くのは、男女格差であったり、LGBTQについてでした。
しかしながら、この映画の面白さは単純にそれだけを訴えたものでは無いという点です。

これは、“人間”を描いた作品だと思うのです。
それは、上記の、“二人の難しい役どころ”がそのことを示していて、“理由”については此処には書かないので、ご覧になられていない方はその点も注目して観て頂きたいです。

このレビューを書くまでの間、“男女格差”について幾らか考える機会があったのですが、その際に、テニス界のスーパースターであるジョコビッチ選手からも、『男性選手の方が多く賞金をもらうべき』と言う趣旨の発言が過去にあったことを知り、少し驚きました。
彼は謝罪しているし、それが本心で無かったのかもしれませんが、潜在的にでもその様な考え方があると言うことなのかもしれません。
だけど、これは他人事では決して無いのだと思います。
重要なのは、眼に見える“モノサシ”では無くて、男女が互いを理解しようとすることなのだと気付かされます。


その他にも、この映画が実際の出来事を基にしていると言う点も重要な事だと思いますし、アンドレア・ライズブロー等、二人以外のキャストも重要な役割を担っています。

122分と言う上映時間を長く感じる事なく、テンポ良く観て頂くことの出来る作品だと思います。


良い作品です。
観て良かった。
RAY

RAY