おにくちゃん

バトル・オブ・ザ・セクシーズのおにくちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
予告を観たときにポリコレ感が強すぎたら嫌だなと感じて敬遠していたこの作品。

結果、観て良かった。
全然違った。

男性は思ったよりは酷く描かれていなかったし、女性のズルさ(語弊があったらごめんなさい)みたいなものもちゃんと描かれていた。
性や人種、趣向とかにカテゴライズされた差別をクリアすると
また新たなカテゴライズされた差別が生まれる。
そもそもクリアしたように感じでも、実は少ししか解決されてない何てこともある。
この作品にはその苦悩みたいなものが強烈に描かれていた。

優位性を失った白人男性の苦悩はこの時代からちゃんとあったのだとも思ったし、切なさもあった。

ビリージーンの「勝ちたいのではなく尊重してほしいだけ」というセリフがこの映画の全てだと感じた。

ポリティカルコレクトネスの流れの最終行き着く先が、単純なカテゴライズされた差別の排除を目的とせず、
それぞれの見た目を含めた個性を自分とは違うものとして認め合う事に行き着けば最高だと思った。