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私は渦の底からのtetsuのレビュー・感想・評価

私は渦の底から(2015年製作の映画)
3.6
青山シアターのサービス終了の際、鑑賞。

同性愛者であることに前向きになれず、親友への好意を内に秘める希子。
親友の変化や、隣人との予期せぬ対話を経て、彼女に起きた変化とは……。

LGBTQやしょうがい者を登場させ、かねてより、"マイノリティの苦悩"を描いている野本監督の作品に興味があったので、鑑賞。

ポスターが何を意図しているのか全く想像できず、観る前は、若干の不安もあったけれど、改めて考えると、「自身の内に籠ってしまう彼女の苦悩」を表現した見事なヴィジュアルだったなぁと思った。

自身の内にある問題を気にしすぎたあまり、気づけなかった大切な人の真実。

親友という関係性で、相手を想うがゆえに切り出せなかったという後悔は、誰にでも共感できるエピソードだと思ったし、ことさらジェンダー問題を強調しすぎず、あえて、ひとつの恋愛物語として描きった点に、監督への好感をもった。

短編映画を数多く、手掛けている監督だけに、他の作品も追っていきたいと思った。

また、その中で、様々な背景をもった人たちの苦悩について、想像力を深めていきたいと思った。
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