ごてふ

羊と鋼の森のごてふのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.7
ユナイテッドとしまえんにて。初日夕刻の部、雑多な客層で3割弱の入り。原作既読。小説に忠実な映像化。真摯な青年の職業を通じた成長譚。調律師が主人公ゆえにピアノとそれを奏でる演者も重要な役回りで登場する。数年前に世界的な名門ピアノメーカーのカリスマ調律師に密着取材をしたドキュメンタリー映画«ピアノマニア»を観たが、ピアニストと調律師、天才同士の掛け合いが凄まじくもありユーモラスでもあった。演奏家と調律師のこうした関係は何に例えたらよいのだろう。ボクサーと老練なトレーナーかな。本作でもピアノに魅せられた市井の人々が登場するが、原作通り姉妹のエピソードに尺も比重も置いて清涼感良し。自分の仕事に誇りを持てることの何と素晴らしき哉。清澄な画面とサウンドトラックが心地良い、しっとりとした作品でありました。
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