KenzOasis

羊と鋼の森のKenzOasisのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.5
「才能ってのは、"ものすごく好きだ"って気持ちなんじゃないかな」

なんとなく生きてきた。だからこれからもなんとなく生きていくんだろうなと思っていた。主人公の外村はそんな心情の中で、自分が育った、大好きな森のように深い「音の世界」に魅了される。自分なりに向き合い、努力をして調律師になったが、次に外村を悩ませるのは"才能"という言葉だった。

調律師の世界を知ることができました。とにかく静か。音に関すること、心情の表現が非常に重要なので、自分なりに感じ取る映画かな、とぼくは思いました。

外村は完璧主義というのか、せっかく見つけたものをどこまでも鋭く極めたいという気持ちはあるものの、どうすればいいかわからなくて、「才能があればできるのになあ」って思ってるんですよね。
こう思う気持ちはすごくよくわかる。

だけどそれは努力をしない理由になってしまうだけで、自分で勝手に自分を削ってるだけで、どこか突き抜けるということは、何かをとにかく続けなくちゃいけないんです。そして成功も失敗も重ねるしかない。
一歩一歩、日進月歩。

柳がとにかく最高の先輩でかっこいい。板鳥さんもほとんど話さないけど、いい背中をしてる。
音と光が印象的な映画です。
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