キッチー

羊と鋼の森のキッチーのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.8
とても静かな繊細な感じの映画。
山崎賢人さんの演技、素敵でした。透明感がありましたね。たまたま高校に来ていた調律師に憧れて勢いでピアノの調律師になってしまった主人公が、ピアノに、人に、対峙し、悩みながらも成長していく物語。

上白石萌音、萌歌が双子の佐倉姉妹役で出てましたが、好きなことを諦められない姉と現実的な妹、対照的な役でしたね。姉妹の愛情を感じる一方で、年齢がちかいと対抗心とか嫉妬とか遠慮とかもあったり、感情が錯綜するところを上手く演じていたように思いました。ピアノも上手でしたけど実際に弾いていたのか気になりました。

姉妹の他の登場人物とピアノの関わりも素敵でした。長く放置されたピアノは音が狂ってしまうけど調律師によって甦る音が、幸福な時間を思い出させてくれるのはいいですね。小さな子供が自宅のピアノで練習している、そして親が嬉しそうに側で聴いている。この上ない幸せな時間のように感じました。

同じ職場の先輩たち(板取=三浦友和さん、柳=鈴木亮平さん)もそれぞれの立場で見守っいる感じ、良かったです。
一段上のコンサート・チューナーを目指していこうと決める主人公、ラストは爽やかな気分になりました。原作読んでないけど、先も観てみたくなりました。
キッチー

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