TatsuoMiyamoto

羊と鋼の森のTatsuoMiyamotoのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
4.0
2016年の本屋大賞で大賞を獲った宮下奈都原作の映画化。主演は山崎賢人。

ピアノ調律師の道を歩き始めた主人公の外村。先輩調律師について技術を学んでいく中で才能豊かな姉妹と出会う。ある日ピアノの調子が悪いと妹の由仁に急遽連絡をもらい自分自身で調律を試すが由仁がいう調律に合わせられず混迷し挫折感を味わう。

挫折を抱えながら帰社した外村は調律師を目指すきっかけとなったピアノ調律師 板島に目指す音を問いかけると原民喜が書いた「砂漠の花」からの一文を教えてくれた。※備忘録に記載


明るく静かに澄んで懐かしい文体。

少しは甘えているようでありながら、
厳しく深いものを湛えている文体。

夢のように美しいが
現実のようにたしかな文体。


映画はピアノ好きには興味深く、また調律師という仕事がどういうものかを知ることができます。調律は自分が目指す音でなくピアノ奏者の心音をコミュニケーションで見つけ出し合わせいく。また、弾く場所としてさまざまなシチュエーションがあるのですが例えば部屋の中、学校の音楽室、講堂、結婚式場、コンサートホールなど空間を大小、天井の高さを考えて音を届く様に調律していく。調律師の腕の見せ所なんだと感銘を受けました。

映画を観て思ったのがまず家のピアノの調律をしてもらう事、あと様々な場所でピアノ演奏を聴く事があるので調律師の仕事を意識して音の届く範囲を確かめて見ようと思いました。
TatsuoMiyamoto

TatsuoMiyamoto