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羊と鋼の森のtaruponのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.6
風景とピアノという楽器がとても美しく、調律の映画だけあってピアノの響きが印象的な映画。
原作も面白かったし良かったが、映画も原作の持つ静かな佇まいをかなり再現していて好感が持てる。
特に、最初に外村(山崎賢人)が板鳥(三浦友和)と出会う体育館のシーンの静謐さと楽器としてのピアノの美しさは印象的。
三浦友和は、若い頃は、まったく私の中で引っかからなかったけれど(笑)、年を重ねた今は本当に味のあるいい役者さんだなと感じる。今回も、ストイックでありながら包容力のある温かさを持つ大人の役。

ただ、若干冗長な感じもしたのは残念。最後のクライマックス、結婚式のパーティーで外村が自分の目指そうとするものについて語る場面、それを目指す説明をあんなにていねいに説明しなくても、十分わかるしなんか間延びした感じがしたのが残念だった。

劇中で、「才能とは、好きでい続けることができる気持ち」(←言い回しは若干違うかもだけど)と言っていたことは、初めて聞いた言葉ではないけれど改めて自分の中で言い聞かせる印象深い言葉だった。
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