一般的にピアノの指は立てて弾くように指導することが多いようだが、ホロヴィッツという有名なピアニストは指を寝かせて鍵盤にべバリつくように演奏している。
実は指は寝かせた方が良いと、諸説あるらしいが、結局本作でも発展途上の上白石姉妹の指は立ち、過去に賞をたくさん受賞した元天才ピアニスト君は指を寝かせていたことから、要はそういうことだったのかもしれない。
ピアノの音程が合っているのかどうか観客にも問われている気がしてそのものに集中できない所もあった。
元天才ピアニストの過去から現在へのジャンプカットはあまりに短くカットされ、両親や犬の思い出等の情報量が皆無なのにもかかわらず、ボロボロと泣けてしまったのは不覚だったというか監督の力量にやられてしまったのかもしれない。
とにかくこの監督は膨大な情報、出来事を上手に切って省いて繋げられる人だと本作で気付いた。過去、現在、未来の繋ぎ方もうますぎる。
あと調律する人、ピアノの中のモンタージュを、交互につなげるシーンは「戦艦ポチョムキン」を連想した
