じぇれ

メアリーの総てのじぇれのレビュー・感想・評価

メアリーの総て(2017年製作の映画)
3.2
【自分自身の言葉を!】

弱冠18歳で怪奇小説の傑作を書き上げた女性。何がメアリーに起こったか?

女性の地位が今よりも低い時代を背景に、愛に翻弄される女性メアリーを描いていきます。理想と現実の間で戸惑いながらも、自我を確立させていく彼女の姿は、男女同権に向けて動き出した現代社会と重なります。

作品コンセプトは明確ですし、サウジアラビアの女性監督が起用されたことで、主張に力強さも増しています。
要するに、”エセ伝記”映画で、作り手が語りたいテーマを実在の人物を使って描いているのです。
しかし、それゆえ図式がはっきりしすぎていて、物語としては窮屈な印象も。

とはいえ、『裸のランチ』『バートン・フィンク』系の創作論映画という側面もあり、「物語ることは自分を切り売りすること」だと自ら実証しているとも言えます。

この押しの強さをどうとらえるかで、感想も変わってくるでしょうね。
私には少しくどかったかなぁ。
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