アタフ

ガルヴェストンのアタフのレビュー・感想・評価

ガルヴェストン(2018年製作の映画)
3.9
『タクシードライバー』のジョディ・フォスターを救いたくなるように

『レオン』ナタリー・ポートマンを守りたくなるように

この映画のエル・ファニングもなんとかして救いたくなる、そんな存在だ。

裏社会で生きるロイ(ベン・フォスター)と偶然助けた少女ロッキー(エル・ファニング)の逃避行。なんか去年似た映画を見たような…と思ってたら、ホアキン・フェニックス主演の『ビューティフル・デイ』でした。比べるとこっちはより感傷的な感じで、あっちはより狂気度が高いです。でも基本は一緒ですね。監督はあのイングロリアス・バスターズ女優メラニー・ロラン、女優としても素晴らしいですが、監督としてはどうなのか?

この『ガルヴェストン』予告編でのハードな感じはあまりなく、ロイとロッキーが次第に心を通わせる過程が多くを占める。安モーテルのプールや、太陽に輝く海の映像、それに映えるエル・ファニングの水着姿…良いです!!良いです!!それだけで良いです!!エル・ファニングのビキニ姿を拝めるとは感謝感謝ですわ!!それ以外にも映像にかなり力を入れている作品だと感じた。

そんな感じで、暗い過去を持った二人がちょっと良い感じになりかけたところで悲劇が襲います。

終盤は悲壮感に溢れ、個人的には結構見入ってしまいましたし、ラストの再開も個人的には意外と泣かされました。


ただですね、この作品非常に惜しいと思います。暗い過去を持つロイとロッキーが次第に心を通わせるのが見どころだと思うのですが、ロイの人物描写が少ないため、彼に感情移入しにくいのです。もっと彼の人となりを描いておけば、その後のエル・ファニングを守りたいと思いだす展開に感動できただろう。でも、ロイが登場してすぐにロッキーと出会い逃避行が始まるため、彼がどういう人物かを知らない状態で話は進み、彼の心情の変化というのを感じずらい。


もっと丁寧にロイとロッキーについて描いて、無駄なシーン(あの泥棒との駆け引きの件とか)を省けばもっと素晴らしい作品になっていたと思う。

あと、クライマックス??と言っていいのか分からないが、あの長回しシーンも凄いっちゃ凄いが何故ここを長回しで見せる必要があったのかは分からない。もっとインパクトのある展開であれば納得なんだけど。


まあでも、エル・ファニングのビキニ姿が見られただけで素晴らしい作品ではあるんですけどね、ちなみに言うとエル・ファニングを堪能できるかという目線で言えばこの作品は傑作です。
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