ノラネコの呑んで観るシネマ

ガルヴェストンのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ガルヴェストン(2018年製作の映画)
4.1
癌に侵され、組織から追われる殺し屋と、彼が救った薄幸の娼婦の逃避行。
類似作品が100本はありそうな定番の設定だが、この男前なハードボイルドがメラニー・ロラン監督作品なのが意外。
まあ前作の「欲望に溺れて」もミステリータッチだったし、好きなんだろうな。
今まで散々人を殺してきても、いざ自分が死に直面すると、その覚悟は出来ない。
逃避行の中のつかの間の平和に、自分の生きた証として、ずっと歳下の彼女を意識する。
これははたして愛なのか?がポイント。
時代設定が現在ではなく、1988年なのはなぜなのか。
エル・ファニングが、こんな大人な役を繊細に演じる様になったとは。
役柄的にも物語的にもかなりハード。
お姉ちゃん共々、良い役者に育ったな。
妹役のアニストン・プライスちゃんが、かつてのエルちゃんを思わせる天使。
ベン・フォスターの不器用な中年男もいい。
冒頭の嵐のシーンの意味するところに涙。