回想シーンでご飯3杯いける

最高に素晴らしいことの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)
3.7
姉の死をきっかけに飛び降り自殺しようと考えていた少女と、ユニークな話術で彼女を救い癒してくれた少年が恋に落ちる物語。Netflixオリジナル作品で、公開初日にさっそく鑑賞した。

主演は、子役時代に続いて、2度目の旬を迎えている感があるエル・ファニング。メイク薄めのナチュラルな佇まいがとても魅力的で、前半は彼女を中心に話が展開していく。

2人でオールナイトのドライヴに出かける後半のシーンは、田舎町のノスタルジックな風景が絵になって、青春の思い出を紡いでいくように話が進む。そして、救ってくれたヒーローであったはずの少年こそが、実は救いを必要とする、傷ついた存在である事が明らかになっていく。

ネタばれし過ぎな予告編や、見所を決めつけ過ぎな映画情報サイトの存在もあって、先入観無しに映画と触れ合う事が難しい昨今に於いて、Netflix作品は自分と作品がガチで向き合える貴重な存在だ。本作も前半の段階では話のポイントが見え辛く感じたのだが、それは恐らくシネコン系の映画が親切過ぎる事から生まれる弊害みたいなものだと思う。自分で見所を見つけて、自分なりの感じ方をする。何よりもそれが映画の魅力。