ゲイリーゲイリー

最高に素晴らしいことのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)
3.0
大小さまざまだが、人は誰しも心に傷を負っていると再認識させられる作品だった。

心を閉ざしたバイオレットが次第にセオドアに対し心を開いていく過程が良かった。
セオドアの様に強引に行動することは、恐ろしくありながらもどこか羨ましいと感じた。

セオドアの心の傷の原因が詳細に描写されるのではなく曖昧だったのは、心の傷を負った誰しもに共感して欲しいが為だったのだろうか。
また、ジャスティス・スミスの死んだ目になる瞬間が凄かった。

心の傷を言語化し吐露することの難しさや、周りの人々がそのことに気づくことの難しさなど心の傷を癒す難しさを本作は描いていた。
と同時に、セオドアがバイオレットにやってみせた様に人の心を救うことも出来るという一面も描いていた。
余談だが、イチョウの木並みを背景に歩いているのが世界一似合うのはエル・ファニングだと思う。