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孤独なふりした世界でのshinyaのレビュー・感想・評価

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)
2.5
終末ものSFですが、とても静かで良く言えば叙情的な作品。
過去、未来の向き合い方とそれを踏まえた生き方を提示してくれる内容。

デジタルとアナログ、撮影でのシンメトリー、主演の2人の凸凹さも含めて対比を強調していて、それは1番大きな過去と未来というテーマに呼応していた。

人は見たく無いものには本能的に蓋をしてしまう。それは目でも記憶でもだ。
しかし、それでいいのか?と本作は投げかけてくる。
過去に起きたどんな悲惨な出来事でも、記憶の中で無かったことにしてしまえば、それは虚構の人生なのかもしれない。
真に生きるという意味では向き合うことから逃げてはいけないのかもしれない。

「エターナル・サンシャイン」的な記憶に纏わる恐怖も描きながら、現在の日本でも置き換えられる物語には共感する。

ただ、あまりに冗長で、展開にフレッシュさもなく、擦られた内容に、キャストが良いだけに残念であった。
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