ただのすず

孤独なふりした世界でのただのすずのレビュー・感想・評価

孤独なふりした世界で(2018年製作の映画)
3.7
終末の世界になって孤独ではなくなった二人。

うん、好き。
世界にたった一人になっても、淡々と死体を埋葬し住む場所を清め、腹を満たすために魚を釣り料理し、図書館に住んで返却されていない本を集めて周るルーティーン。
カーテン越しの日の色や、明かりのない青い夕暮れのパノラマが綺麗。一貫して物静かで好ましい。

孤独に生きるな人と共に生きろではなく。
孤独でも生きていける強さを持った人だけが、本当の意味で人と寄り添って生きて行ける。と言われたような。
繋がれて生きていた人が、寂しさからまた同じように犬を鎖で繋いだように。
でも誰かと一緒だと笑うこともできるし、辛い過去に向かい合う勇気もわいてくる、そして何より楽しいでしょうと。
たった二人きりの物語だったのに、飽きなかったのが驚き。

まあでも、エル・ファニングが隣で笑ってるなら終末世界でも全然良くない?