接続設定

イット・カムズ・アット・ナイトの接続設定のレビュー・感想・評価

4.0
とても、とても、わかりにくい映画。

病原体が広まっているであろう世界観に居ることは、装備や症状、緊張感や遺体処理などから、なんとなく察せるものの、具体的に何が起こっていて、何が正解なのか分からない。

途中である程度察せるものでもあれば、全く分からず終わるものもある。

何か手掛かりを見つけても、それをどのようにも捉えることが出来るため、とにかくモヤモヤもやもやしてしまう作品。

しかしながら、役者の演技や映像は素晴らしく、特に一点透視の映像や、宗教画のようなカットが目を惹く。

A24の作品であるため、A24の作品を事前に何本か見ている方であれば、この作品が、何か明確な答えを与えて、わかりやすい起承転結を与えるタイプの作品ではないことは、わかるかもしれない。

あらゆることが噛み合わず、どんどん不寛容になり、他者を信用できなくなり、精神的にも追い詰められ、そして最悪の結末を踏み抜いてしまう。

他者にもっと優しければ、信用する余裕を持てれば、あるいは最悪の結末を回避できたのかもしれない。

コロナのタイミングで是非見ておきたい作品であり、謎解きを求める作品ではない。

最も怖い恐怖とは未知の恐怖とはいうが、それが特に際立った作品であり、まさにコロナなどの状況下で、最悪の状況を、リアリティをもって疑似体験できるような作品。

スッキリはしない。

だがしかし、体験しておきたい作品。
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