物語のキモとなる設定である「それ」を具体的に見せない(ハッキリと説明もしない)ばかりか、それすらも全貌の掴みにくく複数の謎が散りばめられたこの作品を読み解くヒントのひとつという辺り、コロンブスの卵というか、制限を工夫で変える発想の面白さに感服……というのは、正直公式サイトでの作品解説(要観賞後読)を見て。
「疑心暗鬼」で追い詰められるのは登場人物たちだけではなく、観ている側にも上記の謎設定と要所要所に散りばめられた「不自然」がイイ塩梅で効いてくる。
本当に楽しめるのは、もしかしたら2回目の観賞以降からなのかもしれない。
なんだか分からないものが、ホントに分からないまま終わる事に対してただ「つまらない」という感想を持つ人にとっては何事にも耐え難い「92分」なのは間違いない。
