NAO141

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明のNAO141のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スペインのミステリー作品。
いや~これは面白い!!!!
こういった作品大好きだなぁ~~。
お気に入り作品の一つ♪
『インビジブル・ゲスト』、直訳で姿が見えない来訪者(DVDパッケージには顔のない来訪者とある)。
タイトルだけ見ると、密室から逃走したローラ殺しの犯人は誰だ!!この密室殺人の謎をどう解決する!?という作品に思えるが、実際に作品を観てみるとそれ以上の極上のミステリーだった。
実は密室殺人の謎についてはたいしたことはない(そんなものか、まぁそうだろうな…という程度)。
本作の面白さはそこではなくて、真実はどこにある!?という部分と真実が判明した後のさらなる衝撃!!という部分にあろうか。

ネタバレをしてしまうと(まだ観てない人はここから下は読んだらダメ笑!)、〈ドリアの元を訪れたグッドマンは偽物で、全ては自分の息子を殺したドリアから事件の真相を聞き出すために仕掛けられた罠だった〉という話。
タイトルになっている顔のない(顔の見えない)来訪者とは、密室殺人の犯人という意味ではなく、いまドリアの前にいる〈グッドマンに変装した母親〉ということであろう。顔の見えないとは文字通り、変装しているため〈本当の顔が見えない〉来訪者ということになるのだから。う~んタイトルも脚本も秀逸♪
副題の[悪魔の証明]とは、存在しない事実の証明。法律用語で[困難な証明]を意味するわけだが、真相の究明のために行動した父親と母親…凄すぎる。

本作はドリアの証言に基づいた再現ドラマの繰り返しで進む。しかも最初、ドリアはかなりの部分で真相を隠している。そのため我々もミスリードされやすい。
事故の後で死体を隠そうと言ったり、ダニエルの横領を捏造したりと最初はローラが首謀者でドリアは巻き込まれた側…に見えるが、そうではなくて事実はまったくの逆!!しかもダニエルは事故の瞬間は実は生きていたのに、ドリアに殺されたことまで判明。このシーンでグッドマンが激昂しているが、これはグッドマンこそがダニエルの母親であるためであり、さらっと伏線になっている。
本作は伏線を探すのも楽しい!
父親トマスが妻は演劇仲間で名女優だったと話しているが、名女優でないと変装は無理か笑(しかしここはいくら名女優でもあのようなルパン並みの変装が可能か?と少し無理を感じてしまうが笑)。
その他、最初にドリアがグッドマンに会った時に「早かったな」と言っているが、予定よりも3時間も前に来るのは確かに不自然だ。彼女は「新しい証人がおり審理が開始されるまであと3時間しかないからだ」と早く来た理由を誤魔化しているが、本当の理由はこの3時間以内にドリアから真相を聞き出さないと本物のグッドマンがドリアに会いに来る時間になってしまうからである。

いや~本当に楽しかった!
まだ観てない家族や友人に本作を鑑賞してもらい、何人が真相を暴けるか、ぜひチェックしてみよう!!笑笑
ちなみに原題の『Contratiempo』とは「挫折」という意味らしいが、私は本作の真相を暴けなかったのでまさしく挫折(いや、敗北か…)笑
そしてドリアも真相を知って、まさしく挫折…というか敗北ですな笑
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