ベルサイユ製麺

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.8
実はミステリーはあまり好きではない、とだいぶ前のレビューで書いたことがあります。「人物を駒のみたいに使うのが嫌」とかなんとか書いてますね。…
本当は、脳が残念なので“何が起こってるのかよく分からない”からです!
映画で巻き戻しを使うなんて、そんなファニーゲームUSAは御法度だと思いながら、「あんだ?いま何てゆうただ?」と何度も何度も巻き戻ししてしまいます。要は向いてないのです…。

今作は…もうパッケージから入り組んだミステリー感全開で、これは最低限、⚫︎スペインの地図⚫︎登場人物の写真⚫︎押しピン⚫︎赤い毛糸 などを用意して挑みたかったのですが、止む無く諦めました。賃貸なので。

あちゃー。
自分はよく、誰も読んでいないのを分かりつつ長々とあらすじを書きがちなのですが、そうやって内容を思い出したいからなんですよね。なのですが、今作は…あらすじが書けません。特殊、且つややこしいのです。
ある事件の容疑者(主人公)が弁護士に身の潔白を証明するよう依頼。聴き取りの中で容疑者が語り出したのは、別の未解決の事件の顛末…。どうですか?犯人の目星はつきましたか?…分からないですよね?いやぁ、特別自分が鈍いのかと思ってドキドキしましたよ。良かった〜。

先ず、とにかくムードが良いです。アメリカの雑多さとも、イギリスの陰鬱さとも違う独特の空気感がミステリーに相性良くて、ぐいぐい引き込まれます。劇伴も丁度良い塩梅。登場人物も皆、一筋縄ではいかなそうなクセのある感じで想像力を刺激されますねぇ。
物語は基本的に、主人公の回想シーンの積み重ねで進むのですが、後から後から「実は…」と新事実が明かされ、前提がコロコロ変わって生きます。ガンバレ、脳!で、終盤は、“そもそも!”からの、“実は‼︎”
あぁ面白い。ホントに理解出来てるのかは自信ありませんが、相当によく出来てるのは間違いないです。人間の心の醜さにぞわぞわします。…ちがうな。ざわざわ、そう!ざわ…ざわ…するのです!終盤の頭脳ゲーム感、“どや!”からの“どや‼︎”。ハッキリ言ってコレは福本伸行ワールド!気のせいか俳優たちの鼻が尖って、歯が増えてきたように思えます。特に『銀と金』がお好きな方にはオススメですね!
『銀と金』から引用すれば「相手の破滅を目指さずして、どうして相手追い詰められましょう」、です‼︎ 脳が疲れるので、お気に入りのスイーツをご用意の上でお楽しみください。