アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作。
スペインの鬼才:アレックス・デ・ラ・イグレシア監督が放つ密室スリラーで、バルから出られなくなった人々の過酷な運命を描きます。
スペインの首都マドリードの中心街にある一軒のバルを舞台に、謎の狙撃手に狙われ店外に出ることができなくなった8人の地元客&店員が生き残りを賭けて奮闘していく姿を描いた密室シチュエーションのサスペンススリラーとなっています。
屋外に出ると即座に狙撃されるため、バル店内に留まらざるを得なくなった人々のサバイバルを描いた作品で、物語が進行するにつれて、狙撃手の目的や自分たちが置かれた過酷な状況が判明していきます。密室の極限状況下において露わになる人間の残酷な本性を苛烈に描き出した“疑心暗鬼スリラー”となっていて、相互に無関係だった人々の腹の探り合いと騙し合いと裏切りと暴力と狂気と生存本能が生々しく渦巻く作劇に始終“嫌な気分”にさせられます。さらに、登場人物のグロテスクな死に様や画面を通じて臭いが伝わってきそうな糞尿まみれの下水道の汚過ぎる光景が強烈なインパクトを放っていて、人間の汚さと汚物の汚さのWパンチに面喰う作品となっています。
アレックス・デ・ラ・イグレシアらしいどぎつい人間&心理描写と無秩序&不衛生な映像のもと人間の本質を苛烈に浮かび上がらせたスペイン産サバイバル心理スリラーで、主演の美人女優:ブランカ・スアレスが下着姿で排泄物まみれの下水に飛び込むシーンでは『フェノミナ』(1985)のジェニファー・コネリーを想起しました。