オカ

アフターマスのオカのレビュー・感想・評価

アフターマス(2016年製作の映画)
3.6
完全に前情報ゼロで鑑賞。ストーリーというか、最終的な着地はやや平凡だったもののいいところもたくさんある映画だった。
クリスマスに妻と孫を妊娠している娘が家にやって来るということでウキウキで空港に迎えに行くシュワちゃんは本当に幸せそうだった。そこから事故があったことを知って絶望のドン底に突き落とされるまでの、徐々に不穏な空気が充満していくさまは本当に心苦しくなったし、とてもいい演出だったと思う。
一方でミスをした管制官のジェイコブにも妻子がいて普通に幸せな家庭があって、でもそれが崩れ去っていくのを止められないし元には戻せない苦しさが手に取るように伝わってきた。
小さなミスの連続でとてつもない悲劇が起きてしまって、登場人物の誰も責められないと思いつつも物語はどんどん悪い方に転がっていくという、本当にやるせない気持ちになる展開だっただけに、ラスト回りがもう少し違えばものすごく心に残る映画になっていたかもしれない。
印象としては「いい映画」を全体的に一回りスケールダウンさせたような感じ。でもシュワちゃんの落ち着きながらもただ者じゃなさを醸し出す演技は今までの積み重ねがあってこそのものだと思った。
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