ケイスケ

アフターマスのケイスケのレビュー・感想・評価

アフターマス(2016年製作の映画)
3.6
実話なので不謹慎かもしれませんがこれは面白い。あの無敵の男、アーノルド・シュワルツェネッガーがなんて哀しい顔をするのだろうか…。

2002年7月に起きたユーバーリンゲン空中衝突事故後に発生した事件を題材にした本作。実際は両機に乗っていた71人全員が死亡しましたが、本作は271人に犠牲者が増えております。

飛行機に乗っていた家族を失ったシュワルツェネッガー演じるローマン、その飛行機を指揮していた管制官ジェイコブの事故後の日常が交互に描かれていき、やがて2人の運命が交錯していきます。

空中衝突のシーンが非常に怖い。『ファイナルデスティネーション』のような爆発場面などは一切無く、飛行機がレーダーからフッ…と消える。そして顔面蒼白のジェイコブ…。ここのジェイコブ役のスクート・マクネイリーの演技は素晴らしいですね。

そしてジェイコブに責任を問う航空会社の役員や、ローマンに保証案を提示する保険会社社員のムカつく顔よ!確かにジェイコブが当事者ではありますが、果たして彼だけの責任と言えるのか。ペアを組んでた同僚はどっかに行ってたし、電気会社の工事で通信が切れやすくなっていましたしね。

実話を基にしているだけあり、見た人同士で語りたくなる作品だと思います。2人はどうすればよかったのか?身近な人が事故の被害者、加害者になったらどうすればいいか…。あまり大々的に公開された記憶がありませんが、丁寧な良作だと思います。