2017年、最後の泣ける青春映画。
「芸人さん」の映画で「泣ける」というキャッチコピーが少し、いや、だいぶ引っかかりつつ。
原作も好きだし、ドラマも本当に面白かった。
ドラマの感想をいう場所がないので少しだけ書きたい。
まず、ドラマの監督が、廣木隆一監督、白石和彌監督、大好き沖田監督と名だたる監督たち。
贅沢の極み。
原作の表紙もそうですが、赤が印象的。
ドラマでは、意図して赤を置いているんだろうなと思われるシーンがいくつもある。
雨が降る、野外ステージ。
観客が誰もいないイスにぽつんと真っ赤な風船が置き去りにされている。
それはそれは綺麗で、悲しくも見える赤が記憶に残っている。
全10話の中には、原作にはないエピソードが書き加えられてて、それがまたとてもいい。
特に、徳永の相方・山下役の好井まさおさん、神谷の相方・大林役の村田さん
本当に素晴らしかったです。何度泣かされたか・・・。
門脇麦ちゃんも、メアリージュンもみんな良かったなぁ。(鈴木紗理奈に見える(笑)
好きなシーン。これは映画にもあるシーンで、スパークスがネタ合わせ中に言い合いになるシーンがある。
徳永が苛立ち公園のベンチから立ち上がる瞬間に、お財布のチェーンがベンチの溝に挟まり引っ張られてしまう、それをみた相方・山下が笑いを堪えるというシーン。(この時の好井さんの表情は何度も見たい)
この怒っているのに、笑ってしまう状況。
悲しいのに、笑ってしまう状況。というのが傍から見ていると「生きている」という感じがしてとても愛しく感じ、大好きだ。
「マンチェスターバイザシー」を思い出した。
このシーンは作者・又吉さんの実体験らしい。
(そのあとの山下の「三つ謝るわ」で二つしか言えず、その後ずっと唾を吐くというシーンも)
映画とドラマの違い。
比べるのは違うと重々承知なのですが、やはり配役というのは切り離せないかなと・・・
ドラマはそんなに有名じゃない俳優さんと芸人さん(ごめんなさい)と、映画は大スターの俳優と芸人さん。
やっぱりそこはこういう題材だからこそ気になってしまった点ではありました。
好きだから、知りたい。という自分の欲に負けて、「お笑い」と「芸人さん」の裏を「知ってしまった」という気分。
(誤解の無い様にいうと「火花」は素晴らしいストーリーですし、又吉さんも大好きです。)
合コン帰りの電車の中、
「自分は笑われてただけでしょ」という徳永に
神谷が
「笑われたらあかん、笑わせなあかん。ってかっこいい言葉だけど、あれは楽屋から漏れたらあかん言葉」「あの人らあほなフリしてるけど、ほんまは賢いやて、本来お客さんが知らんでいいことや。」
というセリフがある。
その言葉に凝縮されているような気がする。そして、葛藤を感じる。
M-1、なんだか素直に笑えなくなってしまったのは、私の欲のせいだろうか。
ドラマの感想入れちゃって長くなっちゃった。
原作もドラマも映画も全部別物。
ドラマ版の曲、斉藤和義の「空に星が綺麗」、最高です。
映画版のクライマックス、光に照らされた菅田くんの唇がそれはそれは綺麗なピンクベージュです。
そして、三浦誠己さん。
ドラマ版ではやーな役。
映画版では神谷の相方役で貴重な漫才がみれる。