凛

北の桜守の凛のレビュー・感想・評価

北の桜守(2018年製作の映画)
3.2
史実に基づいたフィクション。
1945年 樺太に桜が咲いた。
ソ連軍の侵攻に備えて北海道の網走に避難する、てつ(吉永小百合)と子供達。
戦争末期、集団自決、爆撃で死亡、行き倒れに強盗と避難は過酷を極めた。
やっとのことで内地に引き揚げてくる。

1971年、大人になった修二郎(堺雅人)は札幌でビジネスで成功。
15年ぶりに網走の母に会いにいく。
夫(阿部寛)を待ちながら慎ましく生きるてつ。引き揚げ者の仮住居にはもう暮らせない。
てつを引き取り札幌で暮らそうとするが、アメリカ育ちの真理(篠原涼子)は文句を言う。
たくさん服を買いてつを飾り立てるがあまり嬉しくはなさそう。少し記憶が曖昧なようだ。
てつの過去を巡るために、修二郎と旅に出る。
過去と現代を行き来する親子の壮絶な思い出。
生活の為に闇米の売買に手を染めていたてつ。警察に追い回される。
父親がシベリアの収容所で亡くなったことも信じたくない。
どこまで分かってるのか、昔と今の区別が付かなくなっている。そして失踪する。。

ケラリーノ・サンドロヴィッチが演出した舞台パートを交えながら語られるが、繋がりが悪く普通に流した方が良かったのでは。

セイコーマートの話?
吉永小百合が30代と60代を違和感なく演じている。精神的に強靭な母親。
歳を重ねても過去を忘れられない溢れる母性。
大雪の中で重たい橇を引く、海へ投げ出されると身体を張っている。
堺雅人があまり個性が出せなくて、ただのストーリーテラーになってる感じで見応えがない。
アメリカ育ちの妻、篠原涼子とのやり取りは蛇足。
少し綺麗にまとめ過ぎた気もする。
戦中戦後に苦労した日本人の話としてよくあるが、この時期にこういう作品を作ったのは大事だと思う。
凛