マオ

きみの鳥はうたえるのマオのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
3.5
「あの頃はよかったなあ」と青春時代を懐かしむ時がある。学生時代のあの頃だけの輝きを懐かしむ時がある。
けど “ 青春 ” って学生時代で終わりじゃなくて、大人になってもある意味まだそれは続いていて、大人になったからこその青春もあるんだなあ。まだまだいつまでもその時だけの輝きに浸っていいんだ、と思わされた。綺麗でも輝かしくもない青春もいいなあ。

雨の中のキス、朝までお酒を飲み歩いてヘロヘロになって、クラブで踊ってふざけたり、家でぐだぐだ過ごしたり、いろんなシーンを切り取ってじっくり見たくなる。
そしてこの作品は本当にお酒をお供に見たくなるな〜
毎日お酒を飲んで遊んだっていいじゃない。ことごとく人生なんて楽しんだもん勝ちだなと思うよ。

クラブでの石橋静河ちゃんのダンスシーンは、今年1と言ってしまってもいいくらいかわいすぎる。
#夜空はいつでも最高密度の青色だ で知った彼女の計り知れない魅力が、今作でもたくさん詰まっていた。
カラオケでの静雄と佐知子の絶妙な距離感とか、何より染谷くんの目とか表情の演技がすごく良かった。夕日に照らされながら先を歩く佐知子の背中を見る静雄の絶妙な顔と空気感がたまらなく良かった。
染谷くんの「おやすみって言って」がかわいすぎる。
正直言って染谷くんのかわいさだけで何回もおかわりできる。
柄本佑さんの雑なんだけどどこか寂しそうな感じもよくて、「ああいいなあ、」と思うシーンがたくさんあった。
みんなすごく色っぽくて、魅了されっぱなしだった。

舞台挨拶でこの作品に自分もいる感覚になるみたいなことを佑さんとかが言っていたけど、撮り方というか魅せ方がおもしろくて、自分もあの人たちと一緒にテーブルを囲んでお酒飲んであの人たちの青春の一部になっている感覚になる。
「この今がずっと続いたらいいのに」と願っていても、待ってるだけじゃ手に入らないし続かないものもある。
こう言ってくれたらいいのに、本当はああ言って欲しいのに、ときっと佐知子もそしてわたしも何度も思っていた。
けどきっと彼も本音をたくさん言いたかっただろうし、心の底では何度も何度も言っていたのかもしれない。
人間ってめんどくさいね。
“ 青春 ” のかけがえのなさを経て、人は成長するのかな。
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