してぃぼ

きみの鳥はうたえるのしてぃぼのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
4.2
アジカン(浅野いにお)のソラニンの歌詞の中で、「例えばゆるい幸せがだらっと続いたとする きっと悪い種が芽を出して もうさよならなんだ」という歌詞がありますが、なんかそれを思い出す映画でした。

冒頭のシーン。心の中で1、2、3…と120まで数えて佐知子が戻って来なかったら帰ろうという「僕」。
それがラストでは佐知子に打ち明けた思いに対する返事を待つ「僕」という構図の逆転したラストが秀逸。

次第に佐知子に惹かれていき、静雄と共に毎日を過ごしていく3人。思わずこちらもニヤリとしてしまうキラキラした日常と「僕」と佐知子のほんの些細なすれ違いが盛大な伏線となってラストに繋がる。

「やめてよ…。」という佐知子の答えに数秒フリーズした後に流れるエンドロール。あの瞬間が120だったんでしょうね。

心の中にすっと入ってくる王道雰囲気邦画で、「夜空はいつでも最高密度の青色だ」に通ずるものがありました。石橋静河いい役者ですね。
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