この年頃の若者間にだけ成立するバランス。
大人から見ると怠惰で生産性のない彼らの日常。
でも彼らにとってはこれで絶妙なバランスが取れているのだ。
正直な自分の気持ちに向き合い、誠実に走ったラスト。
彼らのバランスは音もなく崩れ、永遠に続く気がしていた夏(青春)は唐突に終わり、違う季節(大人になるという世界)の入り口がエンドロールへと繋がった。
ラストの佐知子の心情を想像してみる。
は?今なの?何で?
そんな顔、一度も見せなかったじゃん。
やめてよ。心掻き乱さないでよ。
もっと早く言ってよ。
勝手だよ。どうしてくれるんだよ。
嬉しいよ。
でも、もう遅いんだ。
その気持ちに応えられない。
胸が痛い。
言葉が出てこない。