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きみの鳥はうたえるの小のレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
4.0
凄く良かった、というわけではなかったのだけれど、なんか気になった。それで原作を読んだ。ビートルズの楽曲「And Your Bird Can Sing」を直訳したタイトルに意味があるのではと思い、ググって歌詞の翻訳も読んだ。そのうえで2回目、鑑賞した。

んで、アレコレ、ゴチャゴチャ考えた果てに至った結論が、若い人の気持ちを真っすぐに描いた物語だったなあと、観たまんまという…。ビートルズ、全然関係ないじゃん、みたいな。

函館郊外の書店で働く“僕”と、一緒に暮らす失業中の静雄、“僕”の同僚である佐知子。刹那的に時間を共有する3人だけど、そこは男2人と女1人の三角関係。

とはいえ、静雄についてほのめかされていることの結末が明らかになることがないままに、素直じゃない僕に変化が…。ということで何となくイイ感じになったのかなと思ったけれど、どうだろう。

個人的には佐知子役の石橋静河さんを観る映画だったかな。女優魂の塊みたいな原田美枝子さんの次女ということもあって、以前から注目していた方。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』はまだまだかな、とか思ったけれど、本作は良かった。

こういう若者たちの設定では違和感しかない、大人の忖度と思われる自主規制が彼女にも及んでいたことが、ちと残念ではあったけれど、寄りの映像でグイグイ押され、踊ったり、歌ったり(これが上手い)する彼女とデートしてるみたいだった。表情も3人で夜遊びしているシーンとか良いし、ラストもなかなかではないかと。

これなら僕(柄本佑さん)がプライドを曲げるのもやむを得ないかな、と納得。静雄(染谷将太さん)は佐知子のことは母親問題の気晴らしで、実は心に闇を抱えているのだろうけれど、映画を観ただけで感じ取れるかしら?

僕と佐知子の物語として楽しむのが吉で、静雄について気になったら、原作を読むとナルホドと腑に落ちるかもしれない。

●物語(50%×3.5):1.75
・原作に比べると、シンプルかも。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・石橋静河さん、良かった。

●画、音、音楽(20%×4.5):0.90
・映像雰囲気が3人によくあっていたと思う。
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