こういうノリや勢いだけではどうにもならない映画の場合、役者の演技が生命線だと思う。
物語自体捉えどころのない本作はなおさらその印象が強いが、芸達者な3人の若手俳優のお蔭で飽きずに観ることができた。
表情の作り方からちょっとしたしぐさも自然体でわざとらしさやこれ見よがしのところがなく、地方都市の一生活者になりきっている。
ぎすぎすする一歩手前でサッと躱してゆくような関係性も好ましかったが、ラストはいろいろな想像を掻き立ててくれる。
唯一の違和感というかビックリしたのは39分過ぎからの女性同士の短い会話。弁当屋の待合で、しかも隣にオジサンがいるのに。