TaichiShiraishi

大人のためのグリム童話 手をなくした少女のTaichiShiraishiのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

実験精神に溢れた映画。こういう映画ならストーリーはグリム童話みたいに抽象的でシンプルなものが合う。おそらくかぐや姫の物語からだいぶ影響を受けてるんだろうけども、こういう印象派というか水墨画的絵画が生き生き動くアニメーションっていうのはそれだけで感動的。


手がなくても必死に幸せに生きようとする娘の生命力の話だから
アニメーションで描く意義がある。
古い絵画風の絵を最新技術で動かせる時代になった。まさに命を与える=アニメーション。

常に画面でノイズのように何かが揺れたり動いたりし続けているのでちょっと気になる人がいるのもわかるけど。

抽象化された世界観でありながら、排泄やら血やら性交やらがやたらと生々しく描かれていたのも印象的。特に娘の切断された腕の先端が少し欠けててそこに物を挟んで持ち上げたりしてたのが痛そうで辛かった。畑耕す時も土に腕の先端突っ込んで流血してたし。

あと事の発端になった黄金が何の役にも立たないように描かれてたのも皮肉。義手にしても使えないし、ただオブジェにしておくだけ。唯一役に立ったと見えるのは娘の父親が首をくくるのに使ってた金の縄。
グリム童話らしい意地悪さも込みの映画でした。まあこんぐらいかもっとえぐい話はグリム童話の原本読んだ時に山ほどあったけどね笑
TaichiShiraishi

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