ヘイミッチ

大人のためのグリム童話 手をなくした少女のヘイミッチのレビュー・感想・評価

3.6
筆で描かれた自由な輪郭線が、カラーの背景の上を流れるように動くアニメーションが少し抽象絵画を思わせる。それに手描きのラインから生まれる揺らぎが、キャラクターにリアルな鼓動を与えているかの様で気持ち良い。

両手を失っても自力で旅立つヒロインは強く美しいが、そのあまりにも壮絶な人生には胸を締め付けられるイベントが多い。
リアルな描写が多くて正に大人の童話。というか本当のグリム童話みたいな。でもロマンチックな要素が全体を包んでくれる優しい香りも常にあった気がする。