大人のためのグリム童話 手をなくした少女のくろいひとのレビュー・感想・評価

シンプルで幽かな線と、いっけん無造作に塗られた色とによってかたちづくられた画面が、かえって無数のファンタジーを喚起する傑作。
数年前に上演された高畑勲の『かぐや姫の物語』を思い起こさせるその技法は、CGとの融合へ向かうのとは正反対の、アニメーションの深い世界を見せてくれる。

さまざまな水や液体の「流れ」も印象的。

そして、この映画はたったひとりの手によって作画されたものなのだという驚きの事実。